九月三日の朝三時に、私はこっそりとカールスバートを抜け出した。

一七八六年九月、ゲーテはワイマルでの煩瑣な生活からのがれるため、長年の憧れの地イタリアへと、まっしぐらに駅馬車を駆り出した。この出発こそ、詩人ゲーテを完成し、ドイツ古典主義を確立させるきっかけとなるものであった。

岩波文庫『イタリア紀行』第50刷

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